2022.05.01

5月の挨拶

 園では、健康で安全に過ごすため、折に触れ階段の右側通行やテラス前の三輪車の一方通行、ロープやチェーン等の仕切りが意味することなどを伝え、実践につなげています。また、毎月「安全の日」を設け、緊急時に適切な行動がとれるよう、各種避難訓練を行っています。

 今年度はじめての地震訓練の日、年少組でのエピソードです。毎日掲示している「今日の予定」に、この日は訓練を示す絵パネルがありました。登園後、すぐにそれを見つけたAくんが「そのパネル外して!」と言いつつ、すでに泣き顔。Aくんはプレスクールいちご出身で、その時体験していたサイレンの放送や緊迫した空気を思い出し、それが怖くての訴えでした。
 担任はその気持ちを受け止めつつ、訓練の意味や大切さをきちんと説明し、「おはしもな(押さない・走らない・喋らない・戻らない・泣かない)」の特に「泣かない」についてもう一度クラス全体に丁寧に話をした、ということです。
 「怖い」という気持ちがあることは決して悪いことではありません。安全や安心は危険に対してやみくもに恐れるのではなく、正しい知識をもつことで得ていくものだからです。「泣かない」が約束に入っているのは、精神論ではなく、自分も友達も指示をはっきり聞きとることができ、安全に避難するために求められる態度だからです。
 Aくんは、訓練中は涙をこらえ、「訓練終わります」の合図で大泣きしたとのこと。訓練の意味を理解し、自己の感情を調整することができた、すばらしい成長の姿でした。
 改めて、子ども自身の中にある、よりよくなろうとする力を信じることから幼児教育は始まる、ということをかみしめています。新しい環境を自分なりに取り込んだり、しなやかに活かしたりしながらぐんぐんと伸びていくたくましい子どもたちです。

 さて、5月。連休中は生活リズムにご留意いただき、その体験も活かしながら活発に園生活を展開してまいりたいと思います。